「13歳からの地政学」を読んでみた・・・
お恥ずかしながら、世界史とか日本史とか、学生時代にちょっと勉強したものの、ただテストで点数とるためで本質的なことは理解していませんでしたし、それほど興味もありませんでした。
そんな中、いろいろな本とかインターネットの情報をみる中で、おもしろかったのが、
「13歳からの地政学」(田中孝幸さん)
学生時代の歴史の授業を思い出すと、
・古代から近代まで時系列で学んでいき、結果、近代は授業時間が取れなくて、本当の触りだけで終わるか。
・世界史も重要な時代だけかいつまんでやるか。
って感じだったと思います。
たぶん、それだと子どもにとって、「歴史を学ぶ」もしくは「これから社会で生きていく上で最低限の教養を身につける」モチベーションを持てない。
モチベーションを持って、歴史とか世界情勢を学ぶのに、本書のようなアプローチがすごくいいと思いました。
「国の豊かさ」、「アフリカの貧しさ」、「領土・国境」、「核ミサイル」など、テーマは難しいものの、それらと地理的条件の関係性がめちゃくちゃわかりやすく解説されています。
世界で起きていることの原因がイメージが鮮明になって、世界がつながっていく感じ。
そして、それらを完全に理解できていなくても、「相手の立場を理解する」という生きる上でにすごくシンプルで重要なことを学べる。
「自分だけでなく、相手にも興味を持って、それを理解しようとする姿勢」
それは、人がまずあるべき姿勢だと思いますよね。
差別、いじめ、不正などの根源はその姿勢の欠如だと思うので。
まずは、興味を持つことから。本当にそう思いました。
また、日本の成り立ちについて考えてみても、地理的な要素が非常に大きい、と感じました。
日本が島国(すぐに隣国に攻められる地形でない)で、しかも極東という欧米から離れた場所に位置していたから、他国の状況の影響を受けないで、経済成長してこれた。
もし、日本が朝鮮半島と陸で繋がっていたら、間違いなく今の日本はなかったでしょうね。
もし、日本が、ドイツやウクライナのような東側、西側の堺目とは真逆の位置(=極東)にあったら、日本が戦場になって欧米から支配されたかもしれません。
昔は日本に来るだけでも大変な時代。それを戦力を保持しながら移動して、日本列島を制圧する、なんてことは困難だったに違いありません。
日本が他国の植民地になったことがないという歴史は地理的な要因が本当に大きいと思います。
戦後の経済成長も、世界のパワーバランスの中でなし得たことだと思うと、世界に対する見方が面白くなってきますよね。
このように、日本の状況だけを少し考えるだけでもいかに世界が繋がっているかを痛感します。
それと同時にこれからの日本を考えるとすごく不安ですよね。
インターネットの普及で情報網の伝播が異常に早くなり、世界を移動することも昔に比べると楽になったし、軍事技術も大幅に進化している。
科学技術の進展により、地理的な距離を縮めるもしくは別の手段で補完することが可能になりました。
「相手の立場を理解して話し合うこと」は本当に大事なんだろうけど、
・昨今の世界情勢をみると、本当に「話し合い」で理解し合える状況が来るのだろうか?
・軍事力を持たずに、平和な日常を守ることはできるのだろうか?
・日本とアメリカとの関係ではどうあるべきなのか?中国とはどうなのか?
などなど
平和は信頼関係があって初めて成り立つものだと頭では理解していても、最近の様子をみていると、それほど簡単なものでもない。
もっと歴史を学び、世界を知ることで、視野を広げ、考えて続けていくことが大事なんだろうな、と思いました。
これからも学び考えを深めていきたいですね。
ありがとうございました😀